GDC Vaultピックアップ

GDC VaultにGDC2011のスライドが上がっていたので、無料分を一通り読んでみた。
というわけで個人的に面白かったスライドを紹介しておこう。

まずはアロケータの話から
Multicore Memory Management Technology in MORTAL KOMBAT
LockFreeなアロケータを、メモリ確保サイズによって複数のメモリ管理方法を切り分けるハイブリッドスタイルで実装したという話。
デバッグツールが充実しているなど、イマドキな作り方をしているのでちょっと憧れる。

次はEA
The Data Cracker: Building a DEAD SPACE 2
DeadSpace2のユーザーテスト結果をサーバーで集計したという話。
EAにはデータマイニングが可能なサーバーインフラがすでに存在するという事実に脅威を感じる。

そして一番面白かったのがコレ
Forensic Debugging: How to Autopsy, Repair, and Reanimate a Release-built Game
最適化ビルド済みプログラムのクラッシュダンプを元にデバッグをしていくためのテクニック解説。
なぜIDEのウォッチウィンドウには謎の値が入るのか。レジスタ値が信じられるのはコールスタックのどの部分までなのか。シンボルサーバーを作るにはどうするのか。クラッシュレポートを回収するにはどうするのか。
など、いざという時に役に立つ情報満載。
デバッグ方法って地味だし、あまり表に出ないけど、非常に重要な技術なんだよね。

ちなみに今回の紹介では意図的にグラフィックス関連のスライドを外してある。別の場所で紹介されている技術が多かったということと、今の時代グラフィックスじゃないでしょう と思っているので。